一般財団法人次世代環境船舶開発センター（Planning and Design Center for Greener Ships : GSC）は、このたび、会員造船会社である三菱造船株式会社との連携によりコンテナ船向けアンモニア燃料用独立方形タンクとして、 IMO 独立型タンクタイプ B の基本設計を実施し、本年 2 月 5 日、一般財団法人日本海事協会（ClassNK）より、この燃料タンクに関する基本設計承認（Approval in Principle：AiP）を我が国で初めて取得しました。

AiP 証書授与式の様子
(左: 日本海事協会会長 坂下 広朗 氏、右: 次世代環境船舶開発センター代表理事 三島 愼次郎)

タイプ B タンクは、厳密な疲労解析により、LPG 運搬船等で一般的に採用されているタイプ A タンクに比較して 、設計上の漏洩リスクを⼤幅に低減させ、より信頼性の⾼いタンクとなっています。また、タンクの形状は方形で船内ホールドスペースに沿った形状にできるため、円筒形状のタイプ C タンクに比べて容積効率が優れています。これらにより、船舶の環境負荷低減に向けた代替燃料であるアンモニアを安全に船内格納するとともに、燃料タンク搭載によるコンテナ積載数の減少も最⼩限に抑えることができ、運航側のニーズに配慮した設計としています。

さらに、規則上、万一の漏洩を想定し、タイプ A タンクでは燃料タンク格納スペース全面を低温用鋼とする必要がありますが、タイプ B タンクでは部分二次防壁となる底部を除き普通鋼とすることが可能な為、低温用鋼の使用量を⼤幅に削減できます。また、タンク格納スペース形状も、コンテナ船で一般的な雛段構造を廃止したシンプルな形状とし、施工性の向上及び、燃料容積の⼤型化を実現しています。

一般財団法人次世代環境船舶開発センターは、これからも国際海運のゼロエミッション化に向けた新たな船舶の企画・開発を通じ、日本の海事産業の発展に貢献できるよう取り組んで参ります。

AiP を取得した独立型タンクタイプ B のイメージ図

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