2022.01.20
一般財団法人次世代環境船舶開発センター(Planning and Design Center for Greener Ships : GSC)(注1)は、このたび、会員造船会社との連携によりアンモニア燃料パナマックスバルクキャリアの設計を我が国で初めて開発し、本年1月20日、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)より設計基本承認(Approval in Principle:AIP)を取得しました。
燃焼時にCO2を発生しない燃料であるアンモニアが、国際海運のゼロエミッション化に大きく貢献する舶用燃料としても注目される中、GSCでは、国際バルク輸送の主力であり、また、我が国造船産業の主力製品であるパナマックスバルクキャリアを対象に、アンモニア燃料船の開発を行いました。
この度AIPを取得した設計では、ClassNKのアンモニア燃料船のガイドラインの要件に従って十分な安全対策を施すとともに、重油に比べて大幅に容積が増えるアンモニア燃料のタンク容量及びタンク配置について入念な検討を行い、貨物積載量・航続距離への影響を最小限にとどめるなど、安心で使いやすい船舶としています。また、ケープサイズなど、より大型の船舶や、就航後の改造を想定した「アンモニアレディ」のLNG燃料バルクキャリアなどへの展開も考慮した設計となっています
GSCが開発した基本設計情報の活用により、今後、我が国の造船各社において、バルクキャリアを始めとした様々なアンモニア燃料船の製品開発が速やかに進むこととなり、世界に先駆けた実船建造に向けた取組みを一層加速させるものと期待されます。
一般財団法人次世代環境船舶開発センターは、これからも国際海運のゼロエミッション化に向けた新たな船舶の企画・開発を通じ、日本の海事産業の発展に貢献できるよう取り組んで参ります。
(以下参考情報)
アンモニア燃料パナマックスバルクキャリア 概要
(注1)一般財団法人次世代環境船舶開発センターは、これまで蓄積してきた日本の造船業の力を糾合して、現在ある、また、今後開発が進む関連の環境技術を統合して最先端の船舶を持続的に企画・発信する中核的な組織として、国内の造船業有志により、2020年10月に設立されました。この理念のもと、高度な環境性能船の開発、商品化に係る各種調査及び研究開発に取り組んでいます。(ホームページURL:https://pdcgs.or.jp/)
現在、関連規制の動向や燃料の見通し等に関する調査結果を踏まえて2050年までの燃料転換シナリオを想定し、これに対応した4つの船舶コンセプトの開発に取り組んでいます。
会員企業・組織(2022年1月現在):
今治造船株式会社、株式会社大島造船所、尾道造船株式会社、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、株式会社新来島サノヤス造船、株式会社新来島どっく、住友重機械マリンエンジニアリング株式会社、内海造船株式会社、株式会社名村造船所、一般財団法人日本海事協会、株式会社三井E&Sマシナリー、三菱造船株式会社
(五十音順)
アンモニア燃料パナマックスバルクキャリアの基本設計を開発
PDFGSC develops principle design for ammonia-fueled Panamax bulk carrier
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